2022.7.18更新

滋賀|05|浜縮緬

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

 

今回は滋賀の浜縮緬の生地をご紹介します。

 

滋賀 05 浜縮緬

 

湧き水が生んだ光る白

 

およそ280年前、京都の丹後から滋賀の⻑浜に伝わり、⻑浜の街に繁栄をもたらした「浜縮緬(はまちりめん)」。品質の⾼さは、京都の⼈々が⻄陣の縮緬と競合するのを恐れ、排斥運動を起こしたほどです。  

 

美しく輝く純⽩の⽣地は、琵琶湖の湧⽔から⽣まれました。製造⼯程の中で多く使われる⽔は、織そのものを引き⽴てる重要な原料のひとつ。各⼯房で汲み上げて使う⽔はすべて、琵琶湖に注ぐ伏流⽔(ふくりゅうすい)です。  

 

この織は原料としてシルクを使⽤しており、「フィブロイン」というタンパク質とフィブロインに被膜している「セリシン」というタンパク質からなる繊維が使われています。セリシンは、織る際に⽷を丈夫にするもので、最終的には120°のお湯の中で炊くことでセシリンを溶け落とさせて、柔らかく軽やかな⽣地に仕上がります。通気性がよく、着物や⾵呂敷、ふくさなどに使⽤されてきました。  

 

 

浜縮緬の⼀番の特徴は、表⾯にある強い「シボ」です。シボとは、⽣地の表⾯にある凹凸のことで、シボの違いから様々な表情の柄が⽣まれます。また、シボがあることによって、肌にまとわりつかないサラサラの質感が⽣まれ、絹のなめらかさと相まって夏場でも気持ちよく⾝につけていられます。  

 

シボが⽣み出す柄には、雲のように⾒える「東雲(しののめ)」や、中国で古代から織られている最も古い織り⽅の「古代縮緬」などがあります。さらに、毎年各⼯房で新しいシボが研究開発され、その種類は今も増え続けています。 

 

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