2022.7.18更新

東京|02|江戸更紗

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

 

今回は東京の江戸更紗の生地をご紹介します。

 

東京 02 江戸更紗

東京のエキゾチック

 

インドから伝来した⼈物・⿃獣・草花などのエキゾチックな⽂様が特徴の「江⼾更紗(えどさらさ)」。インド特有の⽂様を江⼾の渋くて粋な⾊合いで表現し、2カ国の美意識の融合が感じられる染め物です。  

 

この⽂様は、多いもので型紙を300枚ほど使⽤することで、複雑な柄の多⾊刷りと美しいグラデーションを表現しています。型紙を使った作業はすべて⼿作業。乾かした後、その上から⽂様に⾊を刺していき、糊を使わず型紙を複数枚重ねて、地⾊まで染めていきます。

 

 

江⼾更紗は川との繋がりが強く、かつての作業場は川が中⼼、と⾔っても過⾔ではないほどです。糊を落とす作業を川で⾏う際、次から次へときれいな⽔が流れる川の環境が、染め物の汚れを防ぎ、よりよい染め物を⽣み出すことにつながっていました。  しかし、川の氾濫を防ぐ観点などから河岸整備が⾏われ、周囲の都市化が進む中で、川での作業は次第にできなくなっていきました。今では⼯房内の⽔槽が川の代わりになっています。  

 

東京・新宿区は地場産業として印刷業と染物業を掲げています。現在江⼾更紗を制作する⼯房は50軒近くまで少なくなっていますが、かつては300軒近くの染⼯場が、新宿にありました。  

 

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