2023.3.17更新

福井 | 13 | 濡れ緯羽二重

 伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

  

今回は福井の濡れ緯羽二重の生地をご紹介します。

  

福井 13 濡れ緯羽二重

  

光沢と滑らかさが特徴の「濡れ緯羽二重」

  

福井県における羽二重の製法は明治20年ごろに確立したとされています。京都や群馬をはじめ各産地との交流を経て、福井の地で機械織機を用いた織物が作られるようになりました。撚りのない生糸を使用することで生み出される滑らかな感触の羽二重は、海外にも多く輸出されます。

  

羽二重という名前は筬 (おさ、経糸の位置をずれないようにし緯糸を通すための道具)の一羽に、細い経糸を二本通すことからついたものです。この名前は後に、福井銘菓となる羽二重餅の由来にもなります。

  

  

羽二重の製法の中に緯糸を水に濡らして織る製法があります。それが「濡れ緯羽二重」です。「濡れ緯羽二重」は乾燥を敬遠する製法のために、湿度の高い北陸地方が一大産地となりました。

  

乾いた糸で織られたものに比べ、濡れた糸で織られた羽二重はより滑らか且つ丈夫に仕上がると言われており、着物の裏地や⻑襦袢に使用されます。滑らかさを極めた濡れ緯羽二重は、極上の絹織物と言えるでしょう。

  

詳しくは、こちらから。