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伝統工芸の“途中”
絞り染めスカーフ“ TOCHU(トチュウ)”とは、「工芸は、プロセスが面白い。」というところに着目し、制作の“途中”で止めて、製品化したスカーフのことです。TOCHUを完成させるのは、職人ではなく使い手となります。このTOCHUの紐をほどくことは、プレゼントのラッピングを開く楽しみと同時に工芸を学ぶ時間にもなります。“職人の手仕事とその知恵”をお楽しみください。
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“たばた絞り”(壬生)との共同制作
TOCHUには、絞り染めの技法が使われています。布の一部を縛ったり、挟んだりすることで、その部分のみを防染し、模様を作り出す染めの技法のことです。一言で染めといっても100種類以上の技法があります。それぞれ染めるまでの “工程(=途中)”が全くと言っていいほど違い、職人の繊細な技術で1つ1つ手で作られています。
京鹿の子絞りの職人“たばた絞り”(壬生)との共同制作。
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雪花絞り(せっかしぼり)
雪花絞りとは、三角の板(型板)の間に、折りたたんだ布を挟み、染めることで模様を作る技法のことです。三角の板のため、この技法からできる模様は、雪の結晶のように見えることから雪花と呼ばれています。染料は、 粒子が細かくないものを使用することで、はっきりとした形の柄ではなく、 ぼんやりとした染め上がりになり、瑞々しい柄が美しいです。
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横段絞り(よこだんしぼり)
横段絞りとは、生地を八つ畳み(山折り谷折り)にして、等間隔に糸を絞り、染めない部分を一段飛ばしで防染して染める技法のことです。絞りの技法でボーダーを作っているため、本来ボーダーと聞いてイメージするまっすぐな線ではなく、少し絞りの雰囲気が残った線が魅力的です。
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自分にも、大切な人にも
TOCHUをほどくことで、普段の生活では知ることは無い、職人の手仕事のプロセスを体験できます。それは、製品を自分で完成させる体験によって自分の中の出来事になり、“わたしだけのスカーフ”として記憶に残ります。また、ほどくプロセスは、プレゼントのラッピングを開く時の「何が出てくるのだろう。」というワクワクする気持ちと似ています。自分にも、プレゼントにも、TOCHUは特別なスカーフになります。
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自然と共存する合成繊維
TOCHUのスカーフ、ストールには、“モダール シルクシャンブレー”の生地を使用しています。
このシャンブレーは、モダールとシルクの混紡糸を使用した、抜群のやわらかさが特長です。(※シャンブレーとは、経緯に各々異なる糸を使った平織り生地のこと。)
・シルクは、蚕が作る繭からとった動物繊維のことで、滑らかな質感を持っています。
この二つが合わさったことにより、生地に上品な光沢や、ゆったりとした美しい動きが心地よく表れています。スカーフやストールとして身につけるのに、最適な生地です。
-モダール 90%
-シルク 10%