ICE CREAM GIFT|02|日常に寄り添うスプーンに
#2 今回は、ICE CREAM GIFT を制作していただいた職人さんにインタビューさせていただきました。
ご紹介するのは竹内錺金具さんです。竹内錺金具さんは仏具の飾りに留まることなく、錺金具でマネークリップを制作されるなど新しい挑戦を形にし、今までの錺金具のイメージを塗り替えています。
新しい発想を飾る
──ICE CREAM GIFTの依頼が入ったときの印象を教えてください。
最初は学生さんの卒業制作で作って欲しいということでオーダーがきました。
私たちにできることであれば、ということで依頼を引き受けました。私たちが持っていない発想だったので、はじめ聞いた時は新しいなと思いました。
──確かに普通「アイスクリームのスプーンを作って欲しい」なんて依頼、来ないですもんね。初めての挑戦だったと思うのですが、こだわった部分や苦労したところはありましたか。
新しいことに挑戦するというのは試行錯誤の連続です。何をやったってトラブルというか、苦労する部分が出てくるので大変です。アイスクリームギフトの場合、普段使っている工芸的なメッキだと不安が残りますので、今回は新潟にある食品にも対応している所に送ってメッキをつけてもらったりしました。やっぱり基本的なところですが口に入れるものなので。メッキの他にも危なくないように角などの形に気をつけました。あとはアイスクリームスプーンという小さい面積の中にどのような柄を入れるかといったところを考えました。
日常に寄り添うスプーンに
──実際に商品を使われてみてどうでしたか?
正直な感想を言うと、もう少しスプーンの真ん中の部分を凹ませたデザインの方がアイスは落ちないのかなと思いました。ですから、ちょっと凹ませてみたものを作らせていただいて「こんな感じのものもいかがでしょうか?」と発案者の学生さんとWhole Love Kyotoの酒井さんに提案してみたこともあったんです。それでもやはり「捨てられるアイスクリームスプーンを工芸品に」というしっかりしたテーマがあったので、元の仕上がりでいくことになりました。
──作り手目線から、皆さんにどのように使って欲しいか教えてください。
是非日常で実際に使っていただきたいというのはありますね。どこかの棚に仕舞い込んでしまうよりも、日常に寄り添うような使い方をして欲しいなと思います。
「飾り」が持つ力
──竹内錺金具さんが、人にモノを届けるときに意識されていることを教えてください。
装飾の飾りを担当しているので、その飾りで多くの人を喜ばせたり幸せになって欲しいという想いを込めて誰かの元に届けられたら良いなと思っています。飾りが持ってる力というのは確かにあると思うんです。クリスマスの時に少し飾りを入れてみたりだとか、そうすると気持ちがあがりますよね。その「飾る」というところに力があると思っていて、それを作品に込めていけたらと考えています。
(おわり)
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