2023.3.6更新

石川 | 07 | 加賀友禅

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

 

今回は石川の加賀友禅の生地をご紹介します。

 

石川 07 加賀友禅

 

 武士の文化が育んだ淡彩

 

写実的な草木模様と華やかな色彩が特徴の「加賀友禅」。

 

この生地は「五彩」と言われる藍、臙脂(えんじ)、黄土、草、古代紫の5つの色合いを基調とし、華やかでありながらも繊細で落ち着きのある、日本の美を感じるような染物です。

 

 

加賀友禅の歴史は、室町時代までさかのぼり、「梅染」と言われる無地染からはじまり、「加賀お国染」という模様染め技法へ発展を遂げました。

 

友禅模様が施されるようになったのは、江戸時代中期の1700年頃。京都で京友禅を確立した、宮崎友禅斎が晩年を金沢で過ごしたことを契機とします。元々染色技法が発達していた加賀の地で、友禅の技法を組み込んで作られたのが、加賀友禅の始まりです。

 

江戸時代の加賀友禅は、武士階級や豪商の婦人たちに晴れ着として使用されていました。そのため京友禅の華やかさと比べると、武家文化で発達した加賀友禅は、武家の落ち着きがあります。多色使いにも関わらず淡彩であるところも、この染物の魅力の一つです。

 

 

この加賀友禅の制作する上で、加賀友禅の全体的なプロデュースをする「悉皆業(しっかいぎょう)」と呼ばれる仕事と、作家が制作した着物に落款(らっかん)をしるす「落款制度」というものがあります。これらは、加賀友禅の高い品質を保ちつつ、この伝統工芸品を守るための仕事と制度です。

 

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