2023.3.17更新

栃木 | 15 | 黒羽藍染

 伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

  

今回は栃木の黒羽藍染の生地をご紹介します。

  

栃木 15 黒羽藍染

  

藍色が深い「黒羽藍染」

  

黒羽藍染は栃木県伝統工芸品に指定されている、歴史のある染め物です。

  

深い藍色の秘訣は下染め作業にあります。大豆から作られた呉汁で行う下染め、「豆入れ」の際に松煙墨という良質な墨を混ぜ合わせ、またその作業を3回ほど繰り返すことで、黒に近い藍色が生み出されます。豆入れが行われた生地は丈夫で、藍色の濃さが黒羽藍染の特徴です。

  

また、もう1つの特徴的な工程に「型染め」があります。布に模様を彫った型紙を乗せ、その上から防染糊を塗り、防染糊のない部分を染めていく技法です。絞り染め(布を縛ることで柄を作る技法)とはまた違う、繊細で細やかな柄も黒羽藍染の特徴といえるでしょう。

  

  

現在では、黒羽藍染紺屋が唯一の黒羽藍染の染め元です。型紙のデザインから、転写、豆入れ、染色、定着まで、一貫して1人で行われています。かつて半纏や法被などの作業着に用いられた黒羽藍染は、私たちが馴染みやすいコースターやバッグといった形に姿を変え、創業から200年以上もの間受け継がれています。

  

詳しくは、こちらから。