2023.3.9更新

岩手 | 10 | 紫根染

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

  

今回は岩手の紫根染の生地をご紹介します。

  

岩手 10 紫根染

  

宮沢賢治が書いた紫。

  

絶滅危惧種に指定されている「ムラサキ」という多年草を染料として使う紫根染。ムラサキは根っこの表面にしか色がなく数も限られているため、古来より貴重な染料として重宝されてきました。

  

紫根染めは染めるまでどのくらい色が出るか分からず、絞って染めてみてはじめて生地の表情が分かるという難しさと面白さがあります。

  

  

沢山ある工程の中で最も重要な作業である「絞り」は、職人の手により一つひとつ丁寧に行います。糸で生地をくくりあげる絞りの作業は、3ヶ月から半年、長いもので1年以上もの間毎日欠かさず行います。

  

絞りが終わった後もすぐには染めず、絞ったものを一つひとつ丁寧に検査します。この絞り検査もまた、紫根染めにとって大切な工程です。

  

南部藩政の時代には藩の手厚い保護のもとで生産されていた紫根染めですが、明治時代にその保護が解かれてからは一時的に伝統技法を伝える人が途絶えてしまいました。その後大正5年に南部紫根染研究所が設立され、紫根染めは再び日の目を見ることとなりました。

  

詳しくは、こちらから。