2022.7.18更新

山形|04|紅花染

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

 

今回は山形の紅花染の生地をご紹介します。

 

山形 04 紅花染

花から生まれた紅

 

その昔、⾦と同等の価値があったといわれる「紅花(べにばな)」。現在は、⼭形県の県花に指定されています。江⼾時代、⼭形では紅花の染色はせず⽣産のみを⾏っていました。紅花の影響は大きく、日本海側を航行する商船「北前船」の航路の中で、紅花を運ぶ「紅花船」が運航されていたほどです。

 

紅花の色は特別なものとして扱われ、遷宮(せんぐう)など神事としても使用されるなど非常に貴重な存在です。しかし、明治以降になると化学染料の輸⼊も相まって、紅花染は徐々に衰退していきます。昭和30年代後半に⼭形で紅花への機運が高まり、よねざわ新田三代⽬の新田秀次さんと富⼦さんが「紅花紬」を発表しました。

 

 

⼀度は途絶えかけた紅花染。現在では山形県内で紅花の⽣産、染色から製織を行うことで産地形成がなされています。

 

紅花の花弁には黄色の色素と赤の色素があり、⾚く染まる⾊素が1%以下しか含まれていないとされる極めて希少なもの。染めの作業では、紅花をそのまま使うよりも、熟成させた「紅花餅」に加⼯したものがより赤の濃度を深めます。黄色や⾚色の染色のみならず、他の染料を重ね染めすることで100 ⾊の⾊相をも表現することができるのです。

 

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