2023.3.17更新

奈良 | 14 | 奈良晒

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは 日々感じています。HANAO SHOES JAPAN は織物・染物の伝統が多くの人の目に触 れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは47都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

  

今回は奈良の奈良晒の生地をご紹介します。

  

奈良 14 奈良晒

  

麻の最上は大和にあり

300年の歴史を持つ「奈良晒」。最上の麻と評される、純白が特徴の高級麻織物です。

  

寺社が沢山ある奈良県が産地であるがゆえに、奈良晒は古くから僧侶の法衣などに用いられていました。

  

徳川家康の目に留まったことから裃(かみしも)に奨励され、徳川幕府の御用達品になります。千利休の「奈良晒は茶器に向く」という言葉の影響で、茶道の世界でも茶巾として重宝されるなど、良質な奈良晒の用途は多岐に渡ります。

  

奈良晒に用いられる麻は2種類。「苧麻(ちょま)」と「大麻(おおあさ)」です。

  

苧麻の生産量減少をきっかけに、明治時代から大麻の使用が増加しました。これらの麻の繊維を細かく割き、繋ぎ合わせることで糸にする「績み(うみ)」という作業から、生産工程が開始されます。麻の繊維一本一本を捻って繋ぎ合わせる作業であるため、1ヶ月以上かかるとされる工程です。

  

その後、糸は手織りされ、水洗い、灰汁かけ、釡炊き、乾燥を繰り返すことで白く晒されていきます。このような長い道のりを経て、最上の麻は生まれるのです。

  

詳しくは、こちらから。