2023.3.9更新

兵庫 | 11 | 丹波布

伝統的な手仕事は「日本の美」として世界に誇れる、なくしてはならないものと私たちは日々感じています。HANAO SHOSE JAPAN は 織物・染物の伝統が多くの人の目に触れ、見る人それぞれがゆかりある地場の手仕事に興味を持つ機会となるプロジェクトです。 ここでは 47 都道府県全ての織物・染物をご紹介します。

  

今回は兵庫の丹波布の生地をご紹介します。

  

兵庫 11 丹波布

  

柳宗悦が復興させた「静かな淡い布」

  

 ふっくらとした優しさが特徴の「丹波布」。江戸時代末期から盛んに織られていた織物です。

  

現在は国指定選択無形文化財と兵庫県伝統工芸品に認定されている丹波布ですが、一度は大正時代に衰退した歴史を持ちます。民藝運動家の柳宗悦氏が京都の朝市にて丹波布のはぎれを発見したことから復興運動が始まり、現在まで作られるようになりました。

  

復興前は分業化されていた丹波布ですが、現在では1人が最初から最後まで一貫して作っています。また丹波布の工程にはいくつか条件があり、その数は4つ。「手で紡ぐ・草木で染める・手織りする・緯に白い絹糸を入れる」です。糸を紡ぐ工程から織る工程まで一切機械が加わることなく作られ、染めにはコブナグサやヤシャブの実などの草木が用いられます。

  

機械が加わらない人の手の温もりと自然の色が生み出す美しさは、丹波布の大きな魅力と言えるでしょう。また緯糸に白い絹糸を入れるという決まりも、丹波布の特徴の一つです。養蚕業が盛んだった丹波の出荷できない繭を糸にし、緯糸に入れ始めたことがきっかけだと言われています。

  

詳しくは、こちらから。